No.1大きな革を漉く

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大きな革を漉く

ハンドバックや財布などの革製品を作るにあたって、革を均等に薄くする為に革を漉きます。大きな工場に何台も並ぶ革漉き機。どれも年季を感じさせます。一方の入り口から大きな革を流し入れます。生き物から採った革だけに、表面はどれもがきれいなわけではありません。多少の凹凸があるので、それに合わせてうまく入れるのが職人の技。このとき流し込んだ厚い革は、反対側から出てくる時には薄くなっています。反対側では常に厚さを測りながら、スピードや圧力を微調整します。革製品の源流がここにありました。

職人さんの汗が染み込んだ革漉き機は、ヴィンテージの味わいすら感じさせる。大切に使われる道具は、長持ちするのだ。

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革漉き機の両サイドで、入れる人と受け取る人、二人一組での作業が行われる。このサイズになると、革も意外と重い。

革の厚みを測る道具。常にこの道具を手に持ち、厚さを測ることを忘れない。ここが狂ってしまっては、すべて台無しだ。

No.2革を裁断する

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革を裁断する

革製品は、多くのパーツから成り立っています。大きな革から、それぞれのパーツに切り分けていく作業が裁断です。決まった金型を当てて、強い圧力をかけて抜いていきます。1枚の革から、ハリのある背中からダブついたお腹の部位まで使用できる金型を選定していきながら、なるべくロスを少なく抜いていくのがポイント。生前についてしまった傷や浮き出た血筋、表面加工のイメージの差を見分けながらの裁断は容易ではありません。少しでも革を無駄にしたくありません。大きさや型の違うたくさんの金型を使っての裁断は長年の経験が必要となってきます。

革に金型を当て、奥に見える機械で押し抜く。革の厚さによって、機械の圧力を調整していく。

金型の数々。革・布・芯材用の型を合わせると、ひとつの商品で非常にたくさんのパーツから成り立っていることがわかる。

裁断されたパーツたち。抜かれたパーツは再度検査をし、漉きへの工程へとうつる。

No.3革に判押しして、柄やロゴをつける

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革に判押しして、柄やロゴをつける

革に柄やネームロゴをつけたいときは、判押しという工程で行います。判の型を機械にセットし、裁断された革を上下から挟み、熱と圧をかけることで、凹凸による柄等をつけることができます。この銅版は105℃くらいまで熱せられ、その熱によって焼印を押すように判を押すのです。革の厚みや質感によって押す長さと圧力を調整しますが、だいたい10秒程度押します。完成した商品の印象を大きく左右してしまう、大切な工程です。

銅版を設置した金属板の下に革を置き、挟みこむ。少しでもずれてしまうと商品にはならないので、慎重さが必要となる。

置いた革を挟み込み、奥にスライドさせる。そして熱の力で判を押していく。

作業所内に無数にある型など。デザイン画などから銅版に起こし、それを原型として使用している。

No.4パーツごとに革を漉く

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パーツごとに革を漉く

各革のパーツを組み立てる際、それらが重なり合うことで厚みが出てしまい、商品が凸凹してしまったり、ミシンがかけ辛くなってしまいます。そういった重なり合う箇所や曲げるところを更に薄く漉く必要があります。回転する台座に革を入れこむと、その勢いに引っ張られます。ここで大切なのは、スピードと力加減をコントロールする手の感覚。何十枚もの革を手に持って、素早く一気に漉いていきます。革の端部分を薄く均一に漉くことは、何十年もこの仕事をこなしてきた職人の匠の技なのです。

下のモーターが高速回転していることが、火花が出ていることからもわかる。それに負けない繊細なタッチが要求される。

どこを何ミリ漉くか、指示が書いてある型紙。少しでもずれてしまうと、このあとに控える組立工程に支障をきたしてしまう。

革漉きを終えた革パーツたち。すべてぴったり同じようにしなくてならないのは言うまでもない。これは長財布の奥みつけという部分になる。

No.5角をきざんで革を収める

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角をきざんで革を収める

各パーツ用に裁断された革を布地や芯と共に貼り合わせます。それらをまとめ、包み込むようにヘリの部分を折り返していきます。角は刃先のような部分を使って少しずつ重ねて織り込んでいく作業が「刻み」と呼ばれてます。いい財布の角など、放射状のヒダになっているはずです。この刻みの丁寧さ、きれいさを見れば、職人の腕前を知ることができます。匠になるほど、数を多くすることが可能で、15回前後のヒダにすることができます。日本の職人の細やかさを体感することができる技術です。

革パーツ同士を合わせ、細かな端を切り落とし調整していく。ここまでくると、商品をフィニッシュする職人の感性だ。

ヘリに糊を付ける作業。ヘラがなんとも味わい深い。糊の量の調整など、このヘラ1本で素早く作業できる。

きざみや革の細部を切り落とすのに使う道具たち。持ち手の部分がいい飴色になっているのも、年季を感じさせる。

No.6パーツを縫い合わせる

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パーツを縫い合わせる

それぞれのパーツをミシンで縫い合わせていきます。ここまでくると、完成形にかなり近づいてきます。まっすぐ縫うのは当然ながら、革の素材や厚みを計算したうえでの手と足の微調整によってスピードの速いミシンを扱っていくことは、かなりコツが必要です。この道60年の職人さんになっても難しい作業。複雑な形のものは縫うのも難しいですが、どう縫えばいいかという手段等は、職人さんの長い歴史の中でインプットされているのです。

簡単に縫っているように見えて、まっすぐな線はまったくブレない。ミシンが体の一部になっているようだ。

糸や素材には色々な種類がある。革との相性や特性を踏まえて縫っていく作業には熟練のコツがいる。

いい道具を長く大切に使うことで、いい商品を生み出していく。

No.7革に焼き線(ネン)を入れる

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革に焼き線(ネン)を入れる

電気を通すことによって熱くなったコテで各箇所に熱を当てていきます。熱で革に線を入れるので、見た目にも印象が変わります。このネン引き1本でメリハリが効いて、すっきりとした印象になるのです。商品の雰囲気がガラっと変わる大切な作業。ネン引きは熱で線を入れることにより失敗する事ができません。この工程を行う時も緊張の一瞬です。

ガイドも何も無く、真っ直ぐにネン引き出来る技術には脱帽だ。手の感性だけがすべてである。

自分に使い易いようにアレンジされたネン引き用のコテ。2本同時に入れられるものもある。

No.8ホック(金具)を取り付ける

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ホック(金具)を取り付ける

最終工程としてホック(金具)を取り付けます。台座のしっかりとした金属の台にあてがい、打ち棒と呼ばれる特別な器具を使って、上から木槌などで打ち付けます。打ち棒が少しでも斜めになった状態で打ち付けてしまうと、ホックがゆるかったり等不具合の元となってしまう為、最後まで気の抜けない作業となります。ピッタリと定まった位置にホックがつけばOK。これで、商品が完成です。

強い力で上から叩きつけるため、台座もしっかりとしたものが必要となる。木でできており、かなりの重さがある。

ホック、打ち棒、下にあてる金属板など、あまり見ることのない器具たち。

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